2007年3月19日月曜日

ポリグルタミン病

神経難病:原因たんぱく質の構造を発見 大阪大グループ 毎日新聞 2007年3月19日

米科学誌「ネイチャー・ストラクチュアル・アンド・モレキュラー・バイオロジー」(電子版)
Nature structural & molecular biology. Published online: 18 March 2007
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アルツハイマー病のアミロイド蛋白やプリオン病の異常プリオンタンパクも蛋白質のβーシート構造の形成が悪さをしていると言われていましたが、ポリグルタミン病もやはりそうでしたか。ポリグルタミン病の場合ターゲットとなる蛋白質が分かっているため治療戦略も立て易いかもしれません。この研究ではQBP1と言う蛋白質がβシート形成を阻害することを証明し、治療への応用を目指しているようです。今後の発展に期待したいものです。

★ポリグルタミン病
CAGという塩基の組み合わせの繰り返しを「CAGリピート」と呼び、この繰り返しが異常に長いと、異常に伸びたグルタミンを含む遺伝子産物「ポリグルタミン」が作られ、それが神経細胞に異常蓄積して神経細胞死や機能異常を引き起こすと考えられている。ポリグルタミン病とは、こうしたポリグルタミンの異常蓄積によって引き起こされるハンチントン病遺伝性脊髄小脳変性症などの神経変性疾患を総称して言います。。

神経変性疾患では異常蛋白質の過剰蓄積が問題であり、そのフォールディングプロセスの異常が重要であると思います。
特定領域研究「タンパク質の一生」ウェブサイト