2007年3月9日金曜日

最近の話題

★散発性ALSにおける標的候補が全ゲノムジェノタイピングによって明らかに
提供:Medscape (m3.comより)
新しいジェノタイピング技術と公的に利用可能な患者データの融合によって、散発性の筋萎縮性側索硬化症の発現に関連する可能性がある様々なSNP候補に関する新規研究の扉が開かれた。
Lancet Neurology. Published online February 20, 2007
Susan Jeffrey Medscape Medical News

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本研究ではSNP(一塩基多型)チップを用いて自動スクリーニングを行ったところアクチン細胞骨格に関連した遺伝子がリストに多く含まれていたことが明らかになったそうです。アクチンは、細胞骨格の中でも特に大きな位置を占める蛋白質であります。やはり細胞骨格蛋白の変化が神経変性の鍵でしょうか。

★難病ALSに初のワクチン マウス実験で延命効果 日加グループ {1}
記事:共同通信社  提供:共同通信社
【2007年1月30日】
 運動神経が死んで全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病、筋委縮性側索硬化症(ALS)のうち、遺伝性へのワクチンを日本とカナダのグループが開発、マウスで延命効果があったとの実験結果を米科学アカデミー紀要電子版に30日、発表した。(m3.comより)

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変異SOD1を用いて作成したワクチンを変異SOD1マウスに摂取して延命したとのこと。。。
PNAS Therapeutic effects of immunization with mutant superoxide dismutase in mice models of amyotrophic lateral sclerosis.アルツハイマー病のワクチン療法が注目されてますが、いよいよALSにもワクチン療法。問題はアルツハイマー病の場合はAβのワクチンでAβそのものをやっつけられるかも知れませんが、ALSの場合はSOD1変異型は、遺伝性ALSの中でもほんのわずかであり、孤発性ALSにどこまで対応できるかと言ったところでしょうか。孤発性ALSの神経細胞に蓄積する変性蛋白がわかれば、新しいワクチン療法のブレイクスルーとなるのでしょう。