2008年8月29日金曜日

第5回日本難病ネットワーク研究会

8月28日第5回日本難病ネットワーク研究会(東京 船堀タワーホール)に参加。

当院より以下の2題の演題を発表させていただきました。
会は、例年に比べて静かな雰囲気でありました。
長期療養歳の確保、在宅療養の充実、いつもながらこれらが最大の問題です。
神経難病患者に対する対応としては、全国的な規模で動かそうとするとどうしても行政の問題が大きな壁になります。大局を動かすことも大事であると同時に、個別のシステムの確立をすすめることが望まれます。

当院ALS患者における病型・重症度と福祉用具導入時期の調査・報告とその有用性
○植松浩巨1)、佐々木勝哉1)、北野晃祐1)、菊池仁志2)
1)村上華林堂病院 リハビリテーション科 2)同 神経内科


神経難病患者の在宅支援
○中村 弘子1)、 原田 幸子2) 、 橋本 美加3) 、  森 龍子4)
1) 訪問看護ステーションかりん 2) 村上華林堂病院MSW    
3) 村上華林堂病院在宅療養部  4) 居宅介護支援事業所「かりん」



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第5回日本難病医療ネットワーク研究会プログラム
10:00     開会                                        
 開会の挨拶     第5回日本難病医療ネットワーク研究会  会長      林 秀明
(東京都立神経病院院長)
10:05     一般演題(第一部)                                   
                   座長:三重大学医療福祉支援センター     成田 有吾
                      東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター 武藤香織
1.筋萎縮性側索硬化症の痛みに対する鍼治療の試み
○ 佐々木石雄1)、佐藤清人2)、井下謙司2)
1) 医療法人社団豊南会香川井下病院神経内科 2) 同・内科

2. 当院ALS患者における病型・重症度と福祉用具導入時期の調査・報告とその有用性
○植松浩巨1)、佐々木勝哉1)、北野晃祐1)、菊池仁志2)
1)村上華林堂病院 リハビリテーション科 2)同 神経内科

3.  新たなコミュニケーション手段によるQOLの変化を
SEIQoL-DWにより評価したALS患者の一事例
○ 田中千恵1)、村嶋正幸2)、中井三智子3)、成田有吾4)
1) 三重県立看護大学 現三重県立総合医療センター   2) 三重県立看護大学  
3) 三重県難病医療連絡協議会   4) 三重大学医療福祉支援センター


4. ALS終末期患者の在宅療養を可能にした要因
~患者の意思を最後まで実現した家族への支援~
○保坂哉子、 齊田綾子、 原澤さやか、 大塚友美、 長嶋和明
(群馬県富岡地域医療事務組合 公立七日市病院)

5. 軽度認知障害と舞踏運動を伴ったハンチントン病患者の入院・入所生活における課題
○澤田甚一、樫山優美子、野正佳余、狭間敬憲  (大阪難病医療情報センター)

6.  単身者の在宅移行支援を通じて在宅療養のあり方を考える
○岡戸有子 (神経病院地域療養支援室)

11:20     会長講演                              
司会:独立行政法人国立病院機構新潟病院 中島孝 
     
12:15     昼休み                                       

13:15     総会

13:25     テーマディスカッション1
【医療と福祉の狭間をつなぎ、安心して安定した療養環境の実現に向けて】
座長: 独立行政法人国立病院機構宮城病院  木村 格
北里大学医学部           荻野 美恵子

(1)東京都での医療的・介護的負荷への取り組みと課題
財団法人東京都医学研究機構東京都神経科学総合研究所  小倉 朗子

(2)現状の医療福祉体制の介護・福祉施設の神経筋難病患者への活用の課題
北里大学医学部    荻野 美恵子


(3)医療的課題を持つ身体障害者福祉施設のALS居室療養の現場から
身体障害者療養施設みずき施設長   中村 稔

(4)ALS患者・家族の医療・福祉の現場療養環境下の在宅呼吸療養の現場から
日本ALS協会理事   海野 幸太郎

14:25     全体討論                                     

14:40     一般演題(第二部)                                 
                         座長:岡山大学神経内科     阿部康二
 福岡県難病医療連絡協議会 岩木三保
7. 福岡県における難病合同連絡会の取り組み
○ 岩木三保1)、上三垣かずえ1)、大道綾2)、立石貴久3)、吉良潤一3)
1) 福岡県重症神経難病ネットワーク  2) 福岡県難病相談・支援センター  3) 九州大学医学部神経内科

8.神経難病患者の在宅支援
○中村 弘子1)、 原田 幸子2) 、 橋本 美加3) 、  森 龍子4)
1) 訪問看護ステーションかりん 2) 村上華林堂病院MSW    
3) 村上華林堂病院在宅療養部  4) 居宅介護支援事業所「かりん」

9.三重県の難病患者支援体制の現状と問題点
○中井三智子1) 、 藤田典子2) 、 成田有吾1,3,4,)
1) 三重県難病医療連絡協議会 2) 三重県健康福祉部 
3) 三重大学医学部附属病院医療福祉支援センター 4) 三重大学神経内科

10. 地域連携による難病患者支援  -事例を通しての一考察-
○今里福美1)前川巳津代1)後藤公文1) 松尾秀徳1) 中原佐代子2)植田友貴2) 安永仁美2) 
1) 馬場勝江長崎県難病医療連絡協議会    2) 長崎神経医療センター 

11. 山陽地区神経難病ネットワークにおける過疎地域での神経難病医療体制の充実に向けて
○武久 康1)、 森 貴美2)、池田佳生1)、神谷達司1)、橋本真由美3)、橋本 司3)、阿部康二1)
1) 岡山大学神経内科、2) 岡山大学大学院保健学研究科、3) 国立病院機構愛媛病院

12. 東京都の神経難病医療ネットワーク事業の取り組み
○桂 桂子 (東京都福祉保健局保健政策部疾病対策課)

13.西多摩保健所管内の神経難病患者の地域支援ネットワークと地域保健活動の成果
~筋萎縮性側索硬化症(ALS)療養者への在宅療養支援状況からみた考察~
○奥山典子1)、中西瑞枝1)、岩崎未来1)、山田涼子1)、梅沢ぬゑ1)、小林信之1) 橘清子2)
1)東京都西多摩保健所 2)東京都多摩小平保健所

16:05     テーマディスカッション2                                    
【神経難病ネットワーク事業の拠点病院の役割とこれからの課題】
座長: 九州大学大学院医学研究院   吉良潤一
都立神経病院        林 秀明

1)大学病院の福岡県の拠点病院としての取り組み      立石 貴久   (九州大学大学院医学研究院) 
2)国立病院機構の拠点病院としての取り組み     今井 尚志(独立行政法人国立病院機構宮城病院)
3)都立神経病院の東京都の拠点病院としての取り組み     鏡原 康裕  (都立神経病院)
4)地域自治体病院での取り組み               近藤 清彦  (公立八鹿病院)

17:05     全体討論                                     

17:30     NPPVセミナー

18:30     閉会の挨拶                                    

2008年8月24日日曜日

夏祭り

8月23日
当院のALS患者さんを中心とする患者会の夏祭り
集まりは、春に続き2回目
今回は当院の外来スタッフがとてもがんばって企画してくれました。
ゲームに、地域の踊り手さんなど
充実した患者会でありました。
患者さん、ご家族の皆様、スタッフのいい交流ができたと思います。

皆様お疲れ様でした。

2008年8月9日土曜日

難病ヘルパー研修

8月7日
本年度の福岡市立社会福祉事業団の難病患者等ホームヘルパー養成研修のための講義を行う。
難病の基礎知識と題して3時間  年に1回の研修
今年は若干参加がすくなく30名程度
3時間の連続講義は長かったが、皆さんめげずに熱心に聴いておられたようです。
他に当院のMSW(原田)より難病の保険・医療福祉制度の講義もあり。

2008年8月5日火曜日

脳卒中連携パス

平成20年4月より脳卒中患者に対する連携パスが開始されました。
8月5日九州医療センターにて合同会議あり。
現時点では、まだ医療センターの脳卒中連携パス症例はないとのことです。
急性期病院から回復期リハ病院、そして在宅へ。。。
連携パスで管理していくようですが、各施設でのスコアリングの評価の違いなど、いろいろと検討点もあるようです。

2008年8月2日土曜日

iPS細胞

いよいよiPS細胞が応用されてきているようです。

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ALS患者の細胞からiPS細胞作製、米大学チームが成功
(2008年8月1日10時21分 読売新聞)

 運動神経が徐々に壊れ、全身の筋肉を動かすことが出来なくなる難病「筋委縮性側索硬化症(ALS)」の患者の細胞を用い、さまざまな細胞に変化できる新型万能細胞(iPS細胞)を作製することに、米ハーバード大学のケビン・エッガン博士らのチームが成功した。
iPS細胞から正常な運動神経を作ってALS患者に移植する再生医療の実現のほか、病気の原因解明や治療法開発に結びつくと期待される。
  米科学誌サイエンス(電子版)に1日掲載された。

Induced Pluripotent Stem Cells Generated from Patients with ALS Can Be Differentiated into Motor Neurons

 ALSは、脳から筋肉に指令を送る脊髄(せきずい)の運動神経が徐々に壊れ、筋肉を動かせなくなる病気。原因がほとんど分かっておらず、根本的な治療法もない。研究チームは遺伝性のALS患者(82)の皮膚の細胞に、山中伸弥・京都大教授が使った4個の遺伝子を導入してiPS細胞を作製。このiPS細胞から運動神経を作ることにも成功した。患者由来のこうした細胞を調べることで、「運動神経がなぜ死ぬかという病気の原因解明や新しい治療法開発に役立つ」と、研究チームは強調している。難病患者からiPS細胞を作製することに成功したのは世界初。京大や慶応大でも、同様に患者iPS細胞の作製を目指している。

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パーキンソン病のiPS細胞治療、ラットで成功
(読売新聞 2008年4月9日)

新型の万能細胞「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」から作り出した神経細胞を使い、パーキンソン病のラットを治療することに、米マサチューセッツ工科大のルドルフ・ヤニッシュ教授らのグループが成功した。
iPS細胞が神経病の治療に使えることを初めて示した成果。米科学アカデミー紀要に7日発表した。
 研究グループは、マウスの皮膚からiPS細胞を作り、神経伝達物質のドーパミンを分泌する細胞に分化させた。パーキンソン病を人工的に発症させたラット9匹の脳に移植したところ、8匹の症状が改善、特有の異常動作がなくなった。パーキンソン病は、ドーパミン細胞の異常で手のふるえなどが起きる難病。移植した細胞がラットの脳内に定着し、ドーパミンを正常に分泌し始めたらしい。患者自身の皮膚などからiPS細胞を作れば、拒絶反応なしにこうした移植治療ができると期待される。

Neurons derived from reprogrammed fibroblasts functionally integrate into the fetal brain and improve symptoms of rats with Parkinson's disease

iPS細胞研究を行っている岡野栄之・慶応大教授(生理学)の話「これまでのES細胞(胚(はい)性幹細胞)研究から予想できる結果だが、治療法開発に向けた重要な一歩と言える。人のiPS細胞を使っても同様の結果が出るか注目される」