2007年4月26日木曜日

アストロサイト

 Astrocytes expressing ALS-linked mutated SOD1 release factors selectively toxic to motor neurons.Nat Neurosci. 2007 May;10(5):615-622. Epub 2007 Apr 15

ALSではアストロサイトは、悪者でしたか。。。
神経細胞を取り巻く環境には、アストロサイトやミクログリア、オリゴデンドロサイトなどさまざまさ細胞があります。最近では、神経細胞死には神経細胞自体の問題だけではなくそれを取り巻くグリア細胞の障害が重要視されております。ALSのアストロサイトに関しても、神経細胞を守るのか、傷害するのか、さまざまな議論がありますが、そこに一石を投じる論文だと思います。


ALS: astrocytes move in as deadly neighbors

2007年4月23日月曜日

ヤコブ病二次感染

ヤコブ病二次感染 7人に可能性判明 2007年4月21日 読売新聞

手術をした患者が、後にプリオン病を発症する。こういう問題はどこでも起こりえる問題だと思います。
プリオン病は、感染時期がはっきりせず発症するまでにどのくらい時間がかかるか分からないため、その間の別の医療処置が感染を伝播する可能性はないとはいえません。プリオン病の早期診断が可能になるといいかもしれません。

2007年4月22日日曜日

第14回福岡ALSケア研究会

平成19年4月21日 第14回福岡ALSケア研究会が開催されました。

当院からも以下の一般演題2題発表させていただきました。

1.村上華林堂病院におけるALS診療の紹介  演者 菊池仁志 
2.当院の神経難病病棟における在宅療養支援の現状 -事例を通してー  
  演者 3階病棟師長 深川知栄

特別講演は以下の2題のお話がありました。
佐賀大学理工学部 知能情報システム学教授 新井康平先生の「ALS患者の視線によるコンピューター入力、意思疎通を可能にするシステム」では、視線による入力システムを開発し、ALS患者さんの新しいコミュニケーションシステムを開発されておられました。今後は企業との連携により商品化が期待されます。
東北大学神経内科教授 糸山泰人先生が「ALS患者さんに私共が出来ること」で、東北大学神経内科でのhepatocyto growth factorを用いた新しいALSの治療法の開発や全国的な神経難病ネットワークのお話をされました。

病棟の看護スタッフが研究会で発表する事は、大変すばらしい事だと思います。
今後もさまざまなスタッフに発表してもらい、医療の質を向上させていきたいものです。 

2007年4月10日火曜日

患者の意思決定「最重要」  終末期医療

患者の意思決定「最重要」終末期医療で国が初指針 2007年04月09日 18:27 【共同通信】

終末期医療に関するルール作りが行われるようです。
人工呼吸器の取り外しなどは、今後の課題とのことです。
尊厳死の問題は、神経難病でも大きな問題となることがあります。

日本尊厳死協会
尊厳死か生か―ALSと過酷な「生」に立ち向かう人びと
人工呼吸器をつけますか?―ALS・告知・選択

2007年4月7日土曜日

第9回福岡神経内科疾患研究会

4月6日第9回福岡神経内科疾患研究会に参加しました。
高橋良輔 京都大学大学院医学研究科脳病態生理学臨床神経学教授
「パーキンソン病のメカニズム」

高橋良輔先生は、神経変性疾患の変性細胞死における異常蛋白質の蓄積を研究されておられます。
パーキンソン病の黒質神経細胞でPAEL-receptorが小胞体に異常蓄積していることを証明し、小胞体ストレスによる神経細胞死を提唱しておられます。異常蛋白の分解過程におけるユビキチン-プロテアソーム系の蛋白分解異常は神経変性疾患のKEYでしょう。

2007年4月5日木曜日

ミクログリア

脳の掃除屋:不要物食べる細胞を解明 九大教授ら 毎日新聞 2007年4月5日
Nature advance online publication 4 April 2007

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脳の中にはグリア細胞と言う神経細胞を支える細胞があります。なかでもミクログリアは、脳内の不要物を片付けることによって、新しい神経回路網を作りやすくしている可能性があるようです。神経細胞が死にかけると、「UDP」と言われる物質が流れ出し、ミクログリアが活性化されるそうです。
ただ、ミクログリアには良いミクログリアと悪いミクログリアがいるとも言われており、今後ミクログリアの両面性の研究が期待されます。

ミクログリア

2007年4月3日火曜日

DNA修復タンパクが減少  難病の神経変性疾患で

DNA修復タンパクが減少 難病の神経変性疾患で 2007年04月02日 18:59 【共同通信】
DNA損傷修復メカニズムの破たんが神経変性を引き起こす

Nature Cell Biology 9:402-414,2007

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DNA修復酵素であるHMGBは、ポリグルタミン病の原因遺伝子であるハンチンチン遺伝子やataxin遺伝子と結合する。しかし、それが神経細胞核で減少するために神経細胞死が誘導されるとのことです。
何らかの刺激で破壊されたDNAがうまく修復されずに機能障害を起こすことで神経細胞が死んでいく。これも重要な病因の一つなのでしょう。

2007年4月1日日曜日

神経疾患をテーマにした映画

神経疾患はさまざまな人生模様があり映画の題材としてよく取り上げられます。
全部は見ていませんが、感動の名作も多いです。

ALS
★モリー先生との火曜日
ALSにかかった大学教授が、毎週火曜日に教え子に人生を語る話。
★打撃王
ALSに罹患したNYヤンキースのルーゲーリックの生涯を綴った話。アメリカではALSはルーゲーリック病といったほうが通じます。
★二人日和
妻がALSになった夫婦の話。

副腎白質ジストロフィー
★ロレンツォのオイル
お勧めです。演技がすばらしい。

パーキンソン病
★レナードの朝

多発性硬化症
★ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ

多発性硬化症で死んだセロ弾きのジャクリーヌ・デュ・プレの伝記映画
★Go Now
多発性硬化症にかかった男性の恋愛物語 解説

脊髄小脳変性症
★1リットルの涙

アルツハイマー病
★私の中の消しゴム
★明日の記憶
★半落ち
介護問題を考えさせられる映画です。

破傷風
震える舌

統合失調症
★ビューティフルマインド
神経内科ではなく精神科のお話ですが、ノーベル賞受賞数学者ジョン・ナッシュの生涯を描いた作品。お勧めです。