2007年2月13日火曜日

HTLV-1関連ミエロパチー

国主導で研究、救済を 指定求めるHAM患者会
記事:共同通信社 提供:共同通信社 より
【2007年2月13日】
 原因が分からず、治療法も確立していない病気は多く、患者・家族の精神的、経済的な負担は重い。厚生労働省は重症筋無力症など121の難治性疾患(難病)を「特定疾患」に指定、うち45疾患を医療費補助の対象としている。国の医療費抑制策の中で、患者の支援や新たに難病指定する基準をどうするかなど、難病対策の課題が指摘されている。「畳のへりにもつまずいて転ぶ。大腿(だいたい)骨や肋骨(ろっこつ)を折り、体中けがをしました」。菅付加代子(すがつき・かよこ)さん(49)=鹿児島市=は、33歳のとき「HTLV1関連脊髄(せきずい)症(HAM)」と診断された。HAMは発症すると足のしびれや痛み、歩行障害や排尿障害などの症状が進行し、患者の多くは車いす、寝たきりの生活を強いられる。菅付さんは2003年に患者団体「アトムの会」を設立し、国にHAMの難病指定を求めている。HTLV1ウイルスがHAMの原因であることは、1986年に鹿児島大の納光弘(おさめ・みつひろ)教授らが発見した。国内のHTLV1感染者は120万人以上と推定され、南九州、沖縄に多い。HAMは年間に感染者10万人に3人の割合で発症し、患者数は約1500人とされている。菅付さんはHTLV1の輸血感染防止対策がなかった70年代に、貧血治療で受けた輸血によってウイルスに感染した。HAMの症状は徐々に進み、今は松葉づえが欠かせない。「人生が突然裏返るような体験で若い人が苦しんでほしくない。難病に指定し、国が主導して治療法の研究を進めてほしい」という。30万人近い署名を集め、04年から厚労省、国会への陳情、請願を行っている。しかし、厚労省は当初「原因がウイルスと分かっており、指定できない」と回答した。
難病指定には条件がある。(1)患者数が少なく(おおむね5万人未満)、公的支援がないと研究が進まない(2)原因が不明(3)治療法が確立していない(4)長期の治療が必要で生活面への支障が大きい?という4要件だ。
 HAMは「原因不明」以外の要件は満たしている。菅付さんは「原因が分かっていても治療法がなければ、患者の苦しみは同じ」と話す。一方で指定された難病には、パーキンソン病など患者数が5万人を上回る疾患がある。厚労省には、HAM以外にも、筋肉などが骨に変化して動きの自由を奪われる「進行性化骨筋炎(FOP)」など、10以上の疾患について難病指定の要望書が提出されている。

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排尿障害や足のツッパリのある方は、HAM(HTLV-1関連ミエロパチー)も鑑別に挙がります。壱岐や対馬などの患者様を良く見かけます。まだ難病指定を受けていないようですので今後の患者活動が期待されます。