2007年9月15日土曜日

ナラティブアプローチ

難治性慢性疾患の患者さんに対する対応としては、治療だけでは片付けられない問題が多く、その患者本人のこれまでの人生の語りや現状に対する物語付けが重要になってきます。

ナラティヴと医療
江口 重幸 (著), 江口 重幸; 野村 直樹; 斎藤 清二 (編集)
医療という現状からナラティブアプローチを多角的にそれぞれの著者が解説しています。非常に分かり易い本です。

医療倫理学の方法―原則・手順・ナラティヴ
宮坂 道夫 (著)
医療倫理の観点から、倫理的考え方を原則論(倫理4原則)、手順論(Jonsen 4分割法など)、物語論(ナラティヴ)と3つに分けて、医療倫理4原則(自律尊重、無危害、恩恵、正義)に帰結する方法論を展開しています。この本は、ナラティブアプローチを用いた医療倫理的考察をする上で非常に参考になります。
宮坂道夫氏ホームページ

ナラティヴの臨床社会学
野口 裕二 (著)
社会学の立場から、現実は言葉と関係性で構成されるという考えに基づく社会構成主義などを通して、医療的な問題にも踏み込んだ内容の本です。

病いの語り―慢性の病いをめぐる臨床人類学
アーサー クラインマン (著), Arthur Kleinman (原著), 江口 重幸 (翻訳), 上野 豪志 (翻訳), 五木田 紳 (翻訳)
臨床人類学的考え方を通して、慢性的な疾患に対する、語りを通したアプローチを実際の症例を通して解説しています。かなり重厚な内容です。