第2回 福岡神経難病ケア研究会開催される
■開催日:平成21年4月18日(土)14時から16時
■会場:福岡県中小企業振興センター
(福岡市博多区吉塚本町9-15)
■テーマ:ALS及び神経難病患者のケア
■特別講師:「終末期医療における法と倫理 -ガイドライン・
倫理コンサルテーション・臨床倫理キャラバン隊-」
当院より以下の演題を発表
レスパイト入院中に重症化したALS患者の退院支援
村上華林堂病院 神経難病病棟 看護師
村上 美樹 山本 幸恵 土井良弓子 深川 知栄
当院では在宅を支える事を目的に、積極的に定期的にレスパイト入院を行なっている。しかしながら、レスパイト入院中に病状の悪化のため、退院が困難となる場合がある。従来、このような場合、在宅復帰をあきらめ、病院での長期的な療養を強いられる場合が少なくない。
今回、レスパイト目的で入院中に状態が悪化し、在宅療養が不可能と考えられたALS患者に対し、一貫したチーム医療体制を通して、在宅療養を促せた事例を紹介する。
症例は、38歳男性。発症4年のALS患者。発語不可能。NIPPVを終日装着。 レスパイト入院中、排痰困難、呼吸困難、意識レベルの低下出現。人工呼吸器の装着は拒否されていたため、排痰リハ、バギングなどが繰り返されるようになり、在宅療養は不可能と考えられた。状態の軽快時に本人が在宅療養を強く望んだため、病棟スタッフ全体で一貫して在宅復帰のための支援体制の再確立、本人・家族説得を進めることにより患者・家族の病状悪化に対する恐怖感が軽減でき、在宅療養復帰が可能となった。